写真をご覧ください。
右のココットに入っているものはマヨネーズですが、左のココットに入っている液体は何でしょうか。両方とも、同じ材料を同じ時間だけ混ぜたものであります。卵黄と酢と塩コショウを混ぜてから、最後に油を入れて攪拌させたものが右のマヨネーズ。油と酢と塩コショウを混ぜてから、最後に卵黄を混ぜたものが左。卵黄味のドレッシングになりました。
以上のことから、素材の提示は順番が肝要だということがわかります。
マヨネーズをアナリーゼすると、卵黄が第1主題、油が第2主題、展開部で攪拌がおきるソナタ形式であることがわかります。提示の順番次第では本来うまく混ざらないものを混ぜることができるというのがソナタ形式の醍醐味です。
ただ湯がいただけの豚バラ肉に、スライスして水に晒しただけの玉ねぎを乗せただけのもの。オリーブをそえてパセリを散らして盛り付けます。濃厚なクリームのような手作りマヨネーズと豚が合って、美味。基礎は大事だということがわかります。
一方の卵黄味のドレッシング。失敗作と判断するのはまだ早い。
ここにアンチョビを入れたり、またはサフランの香りを足したりして、トマトやキュウリなどの野菜になじませるように絡ませると、これはこれで美味しいです。ドレッシングの塩味がトマトから水分を引き出して、その水分がドレッシングに回帰してさらに美味しくなるというロンド形式になるのです。最低1日は寝かせましょう。