1月25日「クラシック風アレンジで聴く 美空ひばり」終演しました。
MCというよりレクチャーというか、長々とマニアックな話ばかり致しました。日露戦争だの大正時代の日本文学だのと延々と脱線しまくりました。おかげで夜の部の出演者に控室のドアをノックされる有様。歌の背景の背景あたりをどうしてもお伝えしたかったからこそなんですが、こんな僕の度し難い煩悩をも温かく受け止めてくださるご来場の皆さまに助けられ、良い演奏もできたと思います。
耳慣れた曲のはずなのに、こんなに印象が変わるんですね。そんなご意見を受け取りました。それこそが僕の狙いだったわけで、無事に本懐を遂げたと安堵しました。作品を残すとは、誰も悲しまないように、上手に本人の思い出を消していく作業に他ならない。「美空ひばりの津軽のふるさと」ではなく、ただの、無垢の、「津軽のふるさと」にするということ。逆説的ですが、そうしてはじめて、生前の姿の記憶のない人にも美空ひばりの存在を伝えていくことができるのではないか。
歌人の友人・栗原寛君からは「『津軽のふるさと』というより『ロシアのふるさと』だったよね」との言。歌人はなんでも短い言葉で言えちゃうから油断ならないぜ。
とかなんとか言いながら、売れない演歌歌手のような姿で申し訳ないっす。
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ここでひとつ告知を。
学校法人中部大学創立80周年記念コンサート。サイトには作曲者名の記載がありませんけど、この『中部大学祝典ファンファーレ』というのが、僕の作曲。中部大学春日丘高等学校吹奏楽部の皆さんが演奏してくださるそうです。1分あまりの短い曲ですけど、80年の長きにわたり人材の育成に貢献されてきた学園のために祝典曲を書くというのは、作曲家として、たいへん光栄なことです。貴重な機会を賜りましたこと、関係各位に感謝します。
◎学校法人中部大学創立80周年記念コンサート
【日時】2020年3月1日(日曜日)開場:午後1時30分 開演:午後2時
【会場】日本特殊陶業市民会館フォレストホール(名古屋市中区金山1-5-1)
入場無料(要予約。1月31日まで)