2021年3月3日水曜日

寺澤ひろみ「アニヴェルゼル」、柴田高明マンドリンリサイタル ほか

 今後のいくつかの予定をご紹介します。

 3月20日「アニヴェルゼル~ハーモニカ・コンサート~」では、「おんな酒場放浪記」でもお馴染みのハーモニカ奏者、寺澤ひろみさんと共演します。この公演には『蔦の門 ハーモニカのための』『クロマチック・ハーモニカとピアノのための小ソナタ』という2つの新作を用意しました。とりわけ『蔦の門』…これは複音ハーモニカ独奏のための作品ですが…は、ちょっぴり誇張が許されるなら、複音ハーモニカという分野のために重要なレパートリーを提供できたと思います。先日、はじめてのリハーサルで、寺澤さんが熱を込めてこの作品を語ってくれたことで、僕も自信が持てました。近くて遠い楽器、ハーモニカの印象が刷新されると思います。

 4月17日「柴田高明マンドリン・リサイタル」には『4つの前奏曲』という新作を提供しました。これは、向こう3年間で計6人の作曲家に委嘱し、毎回古典とともにソロ作品のみでプログラミングするという、たいへん頭の下がる思いのする企画の一環。今回がその第一回目で、僕は露払い役を仰せつかりました。今回は田口和行氏による新作も発表されます。柴田さんとは2012年に『マンドリンと弦楽三重奏のためのコンチェルティーノ』を書いて以来、これが2作品目。僕の楽器の理解度も9年前よりいくらか上がったと思いますが、マンドリンの地位向上に挺身する柴田さんの熱意に応えるべく、頑張りました。

 4月30日「米津真浩・安嶋健太郎ピアノデュオ・リサイタル」では、2018年、仙台ピアノデュオの会のために書き下ろした『祝典ソナタ』が取り上げられます。まだまだ曲に恵まれていない2台ピアノという分野のレパートリーとなるよう願って書いた作品なので、早くも再演されることが素直に嬉しいです。アクの強い(と形容してすまぬ)実力者2人によってこの作品がどのように違う表情を見せるのか、僕も楽しみにしています。

 それから、3月8日「鈴木一成バスーン・リサイタル」…ここでこの演奏会に触れる理由は、まだちょっと大っぴらにはできませんが、ご来場くだされば、きっと分かります。

 それぞれの演奏会の詳細については、下記をご覧ください。

 このつらい現世を少しばかり忘れさせてくれる力が音楽には確かにあります。が、それには作家が現実の世界を呼吸していなければならない。どうして慰めの言葉を知らずして人を慰められましょうか。このような困難な時代においてもなお新作を書けること、旧作が再演されること。それはたいへん恵まれたことに違いありません。その幸福を、僕は僕なりの方法で社会に還元すべく、今後も精進していきたいと思います。

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アニヴェルセル~ハーモニカコンサート
  • 西澤健一/蔦の門 ハーモニカのための(初演)
  • 西澤健一/ハーモニカとピアノのための小ソナタ(初演)ほか
出演:寺澤ひろみ(ハーモニカ)西澤健一(ピアノ)
日時:2021年3月20日(土)15:00開演(14:30開場)
会場:タワーホール船堀 5階大ホール
料金:3,800円 要予約
お問い合わせ:タワーホール船堀 03-5676-2211


柴田高明マンドリンリサイタル〜無伴奏マンドリンの世界vol.1
(公財)青山音楽財団助成公演
《会場入場チケット》一般3000円 学生1500円(共に当日500円増)
4月17日(土)17:00開演 京都・バロックザールでの公演にご入場いただけます。
《動画視聴チケット》1500円

プログラム 
  •  西澤健一(1978-)  4つの前奏曲(新作初演)
  • ・田口和行(1982-) 蒼穹(新作初演)ほか
日時:2021年4月17日(土)17時開演
会場:青山音楽記念館(バロックザール)075-393-0011


米津真浩・安嶋健太郎ピアノデュオ・リサイタル
  • 西澤健一/祝典ソナタ ほか
出演:米津真浩、安嶋健太郎(ピアノ)
日時:2021年4月30日(金)19時開演
会場:ヤマハ銀座コンサートサロン
料金:一般4,000円 会員3,500円 学生3,000円 株式会社ヤマハミュージックリテイリング音楽教室在学生2,500円
お問い合わせ:ヤマハ銀座店 03-3572-3171(代表)


東京音楽コンクール入賞者リサイタル
Kazunari Suzuki Bassoon Recital
出演:鈴木一成(ファゴット)松山玲奈(ピアノ)
日時:2021年3月8日(月)19時開演
会場:東京文化会館小ホール
料金:一般3,500円 学生1,500円 東京文化会館友の会会員3,000円
チケットお申込み:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650